北海道お土産探検隊事例|語学スタッフ不在でも海外注文が受注の半数に到達した仕組み化の成功

はじめに

「白い恋人」「六花亭」「ロイズ」などの北海道銘菓を越境ECで販売する「北海道お土産探検隊(株式会社山ト小笠原商店)」は、外国語に堪能なスタッフが社内にいない状況からスタートしながら、翻訳機能を活用した問い合わせ対応で海外販売を成功させました。

現在では海外からの注文が全体の約半数を占めるまで成長し、「専門的な語学スキルがなくても、ツールと仕組みで海外販売は実現できる」ことを証明した事例です。


企業概要

項目 内容
会社名 株式会社山ト小笠原商店(北海道お土産探検隊)
所在地 北海道
業種 北海道銘菓の販売(越境EC)
取扱商品 白い恋人、六花亭、ロイズなど
規模 中小企業
販売チャネル 楽天市場、Yahoo!ショッピングなど

事業開始の背景

きっかけ

  • 北海道の人気お土産は観光客に人気だが、帰国後に「もっと買っておけばよかった」という声が多い
  • 海外在住の元北海道民から「日本に帰れないので送ってほしい」というリクエスト
  • 越境EC市場の成長を見据えた新規顧客獲得の機会

課題:語学スキルの不在

多くの中小企業が直面する典型的な課題でした。

課題 内容
語学スキル 外国語堪能なスタッフがいない
翻訳コスト 専門業者への依頼は高コスト
対応速度 時差と言語の壁で対応が遅れる
正確性 食品のため、原材料表示など正確な翻訳が必要

解決策:ツールと仕組みの活用

1. 自動翻訳機能の積極活用

採用したツール

用途 ツール 効果
問い合わせ対応 Google翻訳、DeepL リアルタイム翻訳で迅速対応
商品説明文 自動翻訳+手動校正 コスト削減+品質確保
メール対応 テンプレート活用 定型文の効率化

翻訳のワークフロー

【問い合わせ対応フロー】
1. 海外顧客からの問い合わせ受信
2. 自動翻訳ツールで日本語化
3. 日本語で回答文を作成
4. 自動翻訳ツールで翻訳
5. 簡単な校正(商品名等の確認)
6. 送信

2. 多言語対応体制の構築

商品情報の多言語化

  • 商品名: 日本語+英語表記
  • 原材料: 主要アレルギー物質の英語表記
  • 賞味期限: 明確な表記(Shelf life: XX/XX/XXXX)
  • 保存方法: シンプルな英語で説明

よくある質問(FAQ)の整備

質問カテゴリー 対応方法
配送期間 国別の目安を表で表示
送料 自動計算システム導入
賞味期限 商品ページに明記
包装 ギフト包装の有無を明確化
返品・交換 食品のため原則不可を明記

3. 楽天市場の活用

選定理由

  • 多言語対応機能: 商品説明の自動翻訳
  • 決済システム: 海外カード対応
  • 配送連携: 国際配送サービスとの連携
  • 信頼性: 日本のECサイトとしての知名度

越境EC機能の活用

  • Rakuten Global Express: 海外配送サポート
  • 自動通貨換算: 各国通貨での価格表示
  • 多言語カスタマーサポート: 楽天のサポート体制活用

海外顧客のニーズ分析

購入者のタイプ

タイプ 割合 特徴
元北海道民 35% 郷愁の味を求める
日本旅行経験者 30% 旅行の思い出を再現
日本文化ファン 20% 日本のお菓子に興味
ギフト購入者 15% 日本土産として贈呈

人気商品ランキング

  1. 白い恋人(石屋製菓)

    • 海外での知名度が高い
    • ギフトとして最適
    • 個包装で配りやすい
  2. バターサンド(六花亭)

    • レーズン入りが特徴的
    • 季節限定商品も人気
  3. 生チョコレート(ロイズ)

    • 冷凍配送対応
    • 高級感がある
  4. じゃがポックル(カルビー)

    • 軽くて送料が抑えられる
    • ポテトスナックとして親しみやすい

成功のポイントまとめ

1. ツール活用による参入障壁の克服

自動翻訳ツールを活用し、語学スキルがなくても海外対応を実現。

2. 仕組み化による効率化

FAQやテンプレート文書の整備で、同様の問い合わせに効率的に対応。

3. プラットフォームのインフラ活用

楽天市場の越境EC機能を活用し、小規模な体制でも本格的な海外販売を実現。

4. 商品の魅力の明確化

北海道ブランドの高い信頼性と、日本的なお菓子の魅力を海外に訴求。

5. 顧客ニーズの把握

元北海道民や旅行経験者の「郷愁」のニーズを捉えた商品展開。


海外からの声

アメリカの元北海道民

「北海道にいた時によく食べていた白い恋人。アメリカに住んでいると手に入らなかったので、通販で購入できるのは嬉しいです。」

オーストラリアの日本旅行経験者

"I visited Hokkaido last year and loved these sweets. Being able to order them online brings back great memories!"

イギリスの日本文化ファン

「日本のお菓子は包装も美しくて、味も繊細。友人へのギフトに喜ばれます。」


他の事業者への示唆

参考になるポイント

課題 解決策
語学スキルがない 自動翻訳ツールの活用
翻訳コストが高い テンプレート化で効率化
対応速度が遅い FAQ整備で問い合わせ減少
正確性が必要 重要部分のみ手動校正

ツール活用のベストプラクティス

  1. 自動翻訳+手動校正: 機械翻訳だけでなく、重要箇所は人間がチェック
  2. テンプレート文書: 定型文は事前に準備
  3. FAQの充実: 問い合わせを未然に防ぐ
  4. 段階的な対応: 完璧を求めず、まずは始める

まとめ

北海道お土産探検隊は、語学スキルがない状況からツールと仕組みを活用し、海外注文が全体の約半数を占めるまで成長しました。

成功の鍵:

  1. 自動翻訳ツールの積極的活用
  2. FAQ・テンプレートによる効率化
  3. 楽天市場の越境ECインフラ活用
  4. 北海道ブランドの魅力訴求
  5. 海外在住者の郷愁ニーズの把握

「語学スキルがなくても、ツールと仕組みで海外販売は実現できる」ことを証明した、中小企業にとって参考になる好例です。


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参考資料

👤

杉本聖也

データサイエンティスト

データエンジニアリングの専門家であり、データサイエンスの講師も務める。データの収集、処理、分析に関する豊富な経験を持ち、企業のデータ戦略の構築を支援している。

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